【4月の不動産市場動向】緊急事態宣言解除で不動産流通はどうなる?
新型コロナウィルスの蔓延に伴う緊急事態宣言が、全国で解除されることとなりました。解除後すぐに元通りの生活に戻るわけではないでしょうが、期待感からか、5月後半は株価も上昇傾向にあります。
不動産流通についても、経済活動再開を受け、徐々に回復していくものとみられます。
4月の不動産市場動向
緊急事態宣言真っただ中の2020年4月は、新築・中古いずれも、不動産の動きは非常に鈍いものでした。
新築マンション
首都圏:発売51.7%減(前年同月比)
近畿:発売42.0%減(前年同月比)
(出典:不動産経済研究所)
中古物件
■首都圏マンション:成約件数52.6%減(前年同月比)
■首都圏戸建:成約件数41.5%減(前年同月比)
(出典:東日本レインズ)
■近畿圏マンション:成約件数42.3%減(前年同月比)
■近畿圏戸建:成約件数37.8%減(前年同月比)
(出典:近畿レインズ)
アフターコロナは中古物件の需要が拡大?
コロナ禍には、過去に例を見ないほど不動産市場が停滞しました。ただこれは経済状況によるものというよりは、「出歩けない」「人と人が接触できない」という物理的要因が大きいといえるでしょう。
とはいえ、今後、収入が減る方や失業者は増加する見通しとなっています。
世界的な流行の収束が今年末にずれ込む最悪のケースでは、全国で最大301・5万人が失業する恐れがあると指摘した。前年度比の就業者数の減少率は4・5%に達し、リーマン・ショック後の09年度の1・5%を大きく上回る可能性がある。2020/5/20東京新聞
経済の悪化は、引き続き不動産流通を鈍らせる要因となりえます。しかし、中古物件の需要については、アフターコロナに拡大する可能性があるといえるのです。
リーマンショック後は中古物件の需要拡大
今回の“コロナショック”は、2008年に起きた“リーマンショック”とよく比較されます。当時も不動産市場は多大な影響を受け、2009年の新築マンションの供給数は、2007年の40%減ほどに落ち込みました。
ただその一方で、中古マンションはリーマンショック後も成約数を伸ばしていました。
【首都圏】
(出典:東日本レインズ)
【近畿】
(出典:近畿レインズ)
不況で中古物件の需要が高まる理由
不況の折に中古物件の需要が拡大する理由は、やはり価格の安さがあげられるでしょう。今後、新築・中古ともに相場価格の下落が見られる可能性がありますが、2020年4月度の首都圏新築マンションの平均価格は「6,216万円」。一方で、中古マンションは「3,201万円」。実に、3,000万円以上の差があります。
物件購入時に、好きなようにリノベーション・リフォームを加えたとしても、中古物件の方がかなり安く住まいを取得できるでしょう。アフターコロナでは、まだまだ先行き不透明な状況が続き、不動産の購買意欲がすぐには戻らないことも予想されます。しかし、先行き不透明な時期だからこそ、新築より低価格な中古物件の需要が高まる可能性があります。
まとめ
引き続き弊社では、ウィルス感染対策を徹底して営業してまいります。メールやお電話でのご相談や査定報告も、積極的にお受けしています。
アフターコロナの不動産市場動向やご所有物件の資産価値が気になる方は、どうぞ弊社までお気軽にご相談ください。